個人的に、謎めいた感じのジャケはとっつきにくいです。もっと内容の把握し易い、簡潔な作りにして欲s(文句多いわ)
この作品をレビューするに当たって、重大な問題をカミングアウトします。
管理人、チェスのやり方、全くもってわかりません(´ー`)┌。
チェスがらみの作品というのに、鑑賞する管理人はルールを全く知らんド素人というコトです。
ケェッ!!・⌒(`ロ´;)そんなんでちゃんとレビュー出来んのか!と、お思いの皆様。
激しく同意( ̄▽ ̄;)。
まぁ、いっつもちゃんとしてませんけどね(オイ)。
なるべくチェスには触れない範囲で頑張りたいと思いまーす。
発売元―アース・スター
監督―エリック・テシエ
プロデューサー―リチャード・スピア
2009年/カナダ映画
原題:『5150,Rue des Ormes』
購入価格―500円(レンタル落ち)
《ストーリー》
学生であるヤニックは、ある日、自転車で事故を起こし負傷してしまい、近くの家に助けを求めに行く。
その家の主人ジャックはこころよく応対してくれたが、実は彼には「悪人を自らの手で裁く」という、家族ぐるみでの歪んだ「仕事」があった。
そして偶然にもその「仕事」を目撃したヤニックは、家の一室に監禁されてしまう。
あの手この手で脱出しようと奮闘するヤニックだったが、ことごとくが失敗。もはや脱出は絶望的であった。
そんな監禁生活が1ヶ月ほど経過したある日、ジャックはある計画の為にヤニックを利用しようと考え、彼に思いもよらぬ提案を持ちかける。
それは、「自分にチェスで勝てば解放する」という謎のゲーム。
連日連夜ジャックに勝負を挑むヤニックだったが、チェスの達人であるジャックにどうしても勝つことが出来ない。
また、異常な状況下で生活を続けるあまり、ヤニックは精神に異常をきたしつつあった。
しかし同時にヤニックの存在は、知らぬうちにジャックの家族達に少しずつ影響を与えており、彼ら一家の日常生活も徐々に狂い始めていた…。
《登場人物紹介》
―ヤニック・ベルべ―
主人公。黒髪ロン毛にーちゃん。
映画監督を志してビデオカメラを常に持ち歩いている、「今どき珍しい」と評される心優しい好青年。
念願の映画学校への進学が決まり、恋人との関係も良好と、何一つ問題無い日々を送っていたが、自転車で事故を起こしたことにより、彼の人生は大きく歪んでしまう。
―ジャック・ボーリュー―
ボーリュー家の父親。殺人鬼。
職業タクシードライバーのどこにでもいそうな中年男性だが、裏では違法薬物を売る者や児童愛者など、自身が「悪人」と判断した人間を殺害するという、自称「正義の行い」を貫いている異常者。
彼の行動はあくまで「正義」に基づくため、悪人であっても過度の苦痛を与えずに速やかに殺害し、たとえ目撃者とはいえ善人であるヤニックを殺すことも良しとしない。
チェスを愛し、数多くの大会を総舐めにするほどの実力者で、その強さは自身の「正義」が正しいことの裏付けであると自負している。
―モード・ボーリュー―
母親。ふくよかなオバチャン。
心の底ではジャックの「正義」に疑問を抱いているものの、一家の主には逆らえず、自分の思いを否定し続けている。
しかしヤニックの出現で、彼女の信念は揺らぎ始めることになる。
かつて妊娠中にジャックから暴行を受け、当時身籠っていた長男を死産している。
―ミシェル・ボーリュー―
長女。黒髪ねーちゃん。
奇しくも、ヤニック同様に映画製作を志す女学生。
父親の「正義」の行いを誇りに思っており、積極的にサポートしている。
ただしその性格は暴力的かつ高圧的で、父親と違ってヤニックを殺害することも考えている。
父親の後継者になることを望んでいるが、自分にそうしてくれた様に父親がヤニックに対してチェスの手ほどきをしていることを知り、その信頼に亀裂が入ってゆく。
―アン・ボーリュー―
次女。5~6歳の少女。
先天的に知能障害と言語障害を持ち、感情の起伏もほとんど無い、人形のような女の子。
モードは彼女に深い愛情を注いでいるが、ジャックは我が子でありながら内心疎ましく感じており、彼女も父親にはなついていない様子。
自分に優く接するヤニックに反応を示し、心なしかなつくようになるが…。
《総評》
ダメですよ。こんな作品、レンタル落ちB級ラックに陳列しちゃあ。
管理人みたいに間違えてチョイスしちゃったらどうすんですか。モウ(# ̄З ̄)。
そうです。管理人、思いっきり地雷踏みましたΣ(ノд<)。
管理人が定義するところの地雷、すなわち逆地雷を。
ええ。薄々感付いてましたさ。だって予告編が面白そうだったんですもん(だったら選ぶなよ)。
よく出来てます。ほぼA級と言って差し支えないでしょう。
ただ、一言に良作と言い切れないようなエレェ内容ではありましたが。
この作品、元が小説だそうで。
しかも結構有名らしいです。Wikiってみましたが英語圏のページしか無かったんで正確にゃわかりませんが。
まーぁ、どーりでストーリーがシッカリしとるわ、この野郎(褒めてる)。
登場人物達各々の思考、心情、行動のひとつひとつが複雑に絡み合い、結果的に全員の人生が狂ってゆくそのひねくれた構成は非常に巧みで、張った伏線も存在をおろそかにせずキッチリ回収してるし、脚本は言うことありません。
また、ジャックの真の意図である計画というのがこれまた生半可でない猟奇っぷりでして、サイコキラー作品としての恐怖感とインパクトも十分持っています。
あー、それとチェスですが、ルールとか知らんでも、全く問題になりませんでした( ̄▽ ̄;)。
なので、「作品テーマがチェス」と聞いただけで先入観でややこしそうと思って鑑賞を渋るような、管理人みたいな方もご安心を。
そのエゲツ無ェ内容自体は好みが別れるかと思いますが。
…さっきから、エレェとかエゲツ無ェとか連発してるんでお察し頂けるでしょうが、コレ、終わり方が結構キッツイんですよ。
なんというか、情け容赦が一切無いといいますか。
あ。今からちょいとネタバレちっくになります。御注意を(*・・)σ。
通常、こういったキチガイモノというと、
主人公が脱出成功したり、キチガイを倒したりしての、OH!(゜ロ゜) HAPPY END!
もしくは、キチガイ側の全面勝利による、NO!(´□`;) BAD END!
はたまた、実はキチガイなのは主人公だったりするような、最後のドンデン返しがウリの、PE!(`ロ´) FUCK END!(←ひどい)
という、大まかに3通りのエンディングに分けられます。
で言うと、この作品は間違い無く、NO!(´□`;) BAD END!の部類に入るのですが、ただ、そのBAD具合が普通じゃないです。
キチガイ側が勝って主人公が負けるだけならまだ良いのですが、この作品では主人公サイド、殺人鬼サイド、両者ともが最悪の結末を迎えます。すなわち、主要人物全員が破滅してしまうのです。
その前代未聞な結末は、「勝った負けたがナンボのチェスを題材にした作品でありながら、作品自体としての勝者は存在しない」ということを示唆したかったのでしょうか。
ヤニックの不幸な運命ももちろん悲惨ですが、独りよがりとはいえ自分の行いを「正義」と信じて行動していたジャックと、彼の家族の末路もまた強烈。
あまりにも血も涙も無い鬼畜な最期は、殺人鬼ながら人間味のあるジャックの人物像も相まって同情を禁じえません。
もし、ヤニックが事故を起こさなかったら。
ジャックの家を訪れなければ。
ヤニックには不憫ですが、ミシェルの言う通り口を封じておけば。
そう思うとかなりヤルセナイ結末でした。
この鑑賞後のテンションのダダ下がりようは、デイヴィット・フィンチャー監督の『セブン』にも匹敵しうると、個人的には思う次第です。
今日はなんか鬱に浸りたい気分だなァ…と思う方の為の逸品(間口狭ェ)。
(レビューおわり)
ちなみに将棋も囲碁も出来ません。
でも麻雀は出来ます。
「酒に酔うとなんか強い」という特殊能力があるそうで(自身は記憶が曖昧)、一時期恐れられてました(自慢か)。
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